【あさイチ】ミキサーで簡単!生米パン。失敗したら見てほしい膨らまない生米パンをふわふわにするコツ!

2021/09/07

キッチン 生米パン

t f B! P L

 生米パンをご存知ですか?
 NHK「あさイチ」でも紹介された生米パンです。
 簡単にふわふわふっくらふくらんだ生米パン!
 SNSでも大人気。

 簡単そうだからやってみた!というかとも多いと思います。

 でも、ふわふわにならない。。。べたべたしてるし、餅みたい。。

 なんて、悩んでいる方はいませんか!

 失敗したら見てほしい膨らまない生米パンをふわふわにするコツ!

 を紹介します。

ーアレンジレシピー
 ふっくら膨らむコツとアレンジレシピです。こちらも是非みてくださいね。
お米で作るシュークリーム
生米パンのアレンジレシピ
==★さらに膨らむ最新バージョン公開中★==
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ざくっと生米パンを説明すると、
 パンを作る材料とほぼ同じですが、”小麦粉”の代わりに”うるち米”を使うこと、”うるち米”と材料をミキサーで混ぜちゃうのが大きな違いです。

 作り方も簡単で、ミキサーで混ぜた生地をオーブンで焼けば出来上がり。

 でも、言われた通りやっても、パンの焼き上がりがへこんで膨らまない・・・と悩んでいませんか?

 今回は、わたしがうまくいった”失敗したら見てほしい膨らまない生米パンをふわふわにするコツ!”をご紹介します。

 うまくいかない方は、一度このブログをみて再挑戦してみてくださいね!

アイキャッチ
あれ?お店では”米粉パン”っていいますよね? まずは、米粉パンと生米パンの違いから確認しましょう!

米粉パンとは?生米パンとは?その違いに驚き! 

  米粉パンと生米パンって、似ているようで大きく違います。

 特に米粉パンに”グルテンフリー”を求めている場合は、米粉、米粉パンをご購入の際は、グルテンフリーの表示だけではなく、アレルギー表示に気を付けて購入しましょうね。

 それは、なぜか!
 では説明しますね。

米粉パンとは

 では、米粉パンとはいったいどんなものなのでしょうか?

米粉パンは米100%ではない

 意外かもしれませんが、米粉パンは米100%というわけでもありません。

  •  小麦粉が70%以上含まれている
  •  または、小麦由来の”グルテン”を米粉に添加

 している場合が多いのです。

 実は、小麦パンがふっくらするのは小麦にある”グルテン”があるからです。
 2001年頃までは、グルテンを持たない米粉ではパン状にするのは無理と言われていました。

米粉100%の米粉パン

 しかし、2001年になると、山形大学工学部の西岡研究グループで、アルファ化した米粉を適量添加し生地を使用することで製パン可能であると報告されました。

 また、2010年頃になると「ミズホチカラ」と言う、100%うるち米で製パンできる米粉が作られるようになりました。
 近年でも、米粉100%のパン作りのレシピとなると「ミズホチカラ」が指名されています。

 その後、2017年には、農研機構と広島大学大学院総合科学研究科のヴィレヌーヴ 真澄美准教授らにより、米粉のみで製パン可能であると報告されました。

 しかし、その報告によると米粉100%で製パンするには、米粉の製粉が高価になるようです。
 低価格化するには、製粉方法は改善が必要な状態です。

 ですので、安価な小麦やグルテンを添加する米粉パンもまだまだ多いのが現状です。

 ですから、”グルテンフリー”が目的で米粉パンを購入する場合は注意が必要です。

 ここで、すこし脱線してグルテンフリーとノングルテンについてお話します。

グルテンフリーについて

 日本にはグルテンフリーの表示基準がありません。
 消費者庁によると

 「数ppm以上の小麦総たんぱく量を含む状況であれば、容器包装に小麦のアレルギー表示をしなければならない。」
引用:消費者庁 食品表示の適正化に向けた取組について

 とありますので、アレルギー表示を確認する必要があります。

 一方で、海外ではアメリカ・カナダ・EU・イギリス・ドイツ・フランス・オーストラリア・コーデック(国際食品規格委員会)での共通するグルテンフリーの表示基準は小麦等1kg当たり含有量が20mg以下、つまり20ppm(0.002%)以下になっています。

 表示基準値を比べてみると日本のアレルギー表示の方が低い値です。
 ですから、日本で、グルテンフリーといってもアレルギー表示がされている場合があるんですね。

ノングルテンについて

 また、米粉に関しては、農水省のガイドラインによるとグルテン含有量が1ppm以下の米粉についてはノングルテンと表示できることになっているそうです。

 言い方を変えますと「ノングルテン」の表示がないものは、小麦やグルテンが添加されている可能性があります。

 特にパン用米粉などは、小麦のパンのようにふっくら膨らませるために添加されている場合が多いので、注意が必要です。

 グルテンフリーの食品をお探しの場合は、注意してくださいね。

  では、次に、本題の生米パンとはなにか?をお話します。

ミキサーで簡単!生米パンとは

 生米パンは、うるち米(つまりご飯を炊く前のお米ですね)を使ったパン状の食べ物です。

 ”パン”というのは、農林水産省のパン類品質表示基準では、

「小麦粉又はこれに穀粉類を加えたものを主原料とし、これにイーストを加えたもの又はこれらに、水、食塩、果実、野菜、卵、及びその加工品、砂糖類、食品油脂等を練り合わせ、発酵させたものを焼いたもので水分10%以上のもの」

になります。

 ですから、小麦を使用していないものは”パン”ではありません。

 ここで紹介する”生米パン”は、うるち米だけを使用する発酵菓子になりますね。

 そんな、生米パンの作り方はリト史織さんの生のお米をパンに変える魔法のレシピ はじめての生米パンに詳しく書いてあります。

リト史織さん

 そして、”生米パン”は、リト史織さんが開発されたということです。
 その生米パンの作り方は、書籍になっています。 

生のお米をパンに変える魔法のレシピ はじめての生米パン

 この書籍では、うるち米と材料を一緒にミキサーにかけて生地の作り方や、バリエーションの生米パンなどが紹介されています。


生のお米をパンに変える魔法のレシピ はじめての生米パン

具体的な、作り方は以下のサイトがわかりやすいです。

生のお米からつくる 「生米パン」を開発

ダイジェスト動画はこちらです。


新書:毎日食べたい生米パン

 先ほどの、生米パンの書籍ではペースト状になった生地を型にいれる方法で焼成します。

 でも、パンというとやっぱり丸い形やドーナッツの形も作ってみたいと思いますよね。
 それが成型パンです。

 なんと、生米パンでも成型パンを作ってしまおうという本を出されるそうです。

毎日食べたい生米パン

こちらも楽しみですね。


失敗したら見てほしい膨らまない生米パンをふわふわにするコツ!

 さて、米粉パンと生米パンの違いを分かっていただけたところで、実際に作ってみましょう。

 リト史織さんの作り方でうまくいけば、よいのですが・・・ 実際は、パンが膨らまなかったり、陥没したりと手ごわい感じです。
 もしうまくいかない場合は以下のポイントを押さえてやってみてください。

生米パンを作るときのポイント

 わたしがうまく膨らまらない失敗の原因を、いくつかの参考文献を紐解いて、ふわふわパンが、うまく焼けたやり方です。
 環境がことなれば、必ずうまくいくは限らないと思いますので、あらかじめご了承ください。

  1. 生米はたっぷりの水に2時間以上6時間程度を目途に浸すこと。
  2. 生米の重さの0.8倍の水と一緒にミキサーにかけること。※1
  3. ミキシング後にできる米のペーストが滑らか(ざらざらしていない)になるまで粉砕すること。
  4. 米をペースト状にしてから、残りの材料を入れること。
  5. 発酵は1.5倍から2倍程度にすること。

 以上の5点です。

 はじめの1から3は、とても重要です。
 ※1 2.の段階で油分は入れたほうがいいかもしれません。
  ”福盛シトギパン”の製法では、油分は生米を粉砕すると水と粉砕されたお米が分離することを抑制するそうです。ただ、今回ご紹介の方法は、”ピッカリングフォーム”という
澱粉粒が気泡を作ることで発泡(膨らむ)と考えています。
  これらを結びつくかは、今後調査したいと思います。お気づきの点がありましたらコメントをいただけるとうれしいです。
   尚、生米パンをふっくらさせるには。ミキサーを買い替える前に試したい秘訣のひと手間こちらも合わせてお読みいただくとわかりやすいかもしれません。

 では、順に説明しますね!

生米はたっぷりの水に2時間以上6時間程度を目途に浸すこと。

 これが一番重要です。

 製粉をするときにできるだけ、細かく製粉し、且つ、澱粉損傷を抑える必要があります。それには、硬い米をしっかり2時間以上は水につけておく必要があります。

 しかし、15時間以上になると、米が固くなるというデータがありますので、10時間位で水からあげることをお勧めします。

 尚、この時の水は、うるち米がすっぽり沈んでしまうようにたっぷり水を使ってくださいね。

生米の重さの0.8倍の水と一緒にミキサーにかけること。

 2012年頃から、米粉パンがふっくらする製粉方法の知見が広がってきました。

 この知見によると、製粉時の粒子の細かさと、澱粉損傷率とパンの容積率(ふっくらさ加減)に関係があるということでした。

 そして、いくつかの製粉方法の内、湿式粉砕方式が、製粉時の粒子が細かく、澱粉損傷率が少ないことがわかりました。
 また、家庭用のフードプロセッサーやミキサーを使用する場合は、浸水状態で行うと、粒子が細かく、澱粉損傷率が少ないことがわかってきました。

 具体的には、家庭用のフードプロセッサーやミキサーを使用する場合は、浸水前の生米の重さに対して水の重さが0.8倍より少なくなると、製粉するときに荒い粉砕が増えるそうです。

0.8倍の水を加水


 また、生米の粉砕という観点では、生米の重さに対して水の重さ1.2倍までは、問題ありません。

 しかし、製パンという意味では、水分が増えると生地がゆるくなり、イースト菌が発生させる炭酸ガスが浮いてしまい、生地がふっくら膨らみません。
 また、生地には、油など液状のものを加えますので、初めは水を少なくした方が製パンがしやすくなります。

 ですので、製粉時はうるち米の0.8倍の加水量をベースに、お好みの材料を添加したあとに、生地が固めの場合は加水するといいでしょう。

ミキシング後にできる米のペーストが滑らか(ざらざらしていない)になるまで粉砕すること。

 これまで、ミキサーにかけることを製粉と記載していますが、実際は加水されていますのでペースト状になります。

 このペーストは滑らかになるまで実施してください。
 具体的には、指でつまんでざらざらしていなければ問題ありません。
 雰囲気としては、片栗粉に適度に加水したようなペーストになります。

生米パンの生地


 次の注意点を守ってください。

  1. ミキサーの動作で発熱しますので、冷ましながらおこう
  2. ここで生地が固いなぁと思われても水は追加しない

 1項目は、60℃くらいまでなら問題ありません。

 ただ、イースを入れるときは40℃以下にしっかり冷ましてください。

 2項目は重要です。生地の粘度で加水するのはやめましょう。

米をペースト状にしてから、残りの材料を入れること。

 リト史織さんの作り方と大きく違うのはこの部分です。

 理由は、1から3項によるお米のペーストを作る作業は、みなさんのミキサーやお米の質などで製粉の質が影響を受けます。

 ですから、お米と水以外は、ペースにしてからいれるようにしてください。
 すこし、面倒ですが生米パン作りが安定するのを実感できると思いますのでお試しください。

ペーストにしてから加える

 こんな感じで、残りの材料を追加してください。

 しかし、これでもうまく膨らまない場合は、ミキサーの買い替えも視野に入れたほうがいいでしょう。

発酵は1.5倍から2倍程度にすること。 

 発酵は、生地が2倍程度になったらオーブンで過熱を始めるのが理想です。

 しかし、家庭用オーブンの発酵機能を使用する場合は、余熱を行うために生地をいったんオーブンから出す必要があります。

 このため、1.5倍程度に発酵が進んだら、オーブンから出し、2倍程度になるまでは室内で発酵を進めてください。

発酵前の生地


 生地の発酵は1.5倍くらいになると急激に発酵が進みますので、注意してください。
 こまめにチェックしてみてくださいね。

 室温にもよりますが、5分から10分程度で2倍になります。

発酵後の生地


 もし、発酵後の表面に泡が多く発生する場合は水分が多いです。
 おそらくは、焼成後もパンは、あまり膨らみません。

 この場合は、次回は水分を5%から10%程少なくして見て様子を見てください。

 また、意外な落とし穴で、使用する型が台形(下の面積が小さく上が大きくなってる)に注意です。

 発酵状態の”2倍”を生地の高さで2倍とすると、過発酵になる場合があります。

 ですので、1.5倍くらいで一度焼いて様子をみるといいでしょう。

生米パンを作ってみる(作成例) 

 それでは、わたしの方法で作ってみましょう。

レシピ

  • お米①:230g
  • 水② :184g
  • 砂糖②:10g
  • 塩② :4g
  • 油② :26g
  • イースト②:4g(ドライイースト 赤サフ)

手順

  1. お米①を洗って、たっぷりの水に2時間から6時間ほど浸す。
  2. お米①の水を切る。尚、だいたい300g位になります。
  3. お米①と水②をミキサーにいれて、414gになるように水②で調整してください。
  4. 滑らかなペースト状になるまで、ミキサーの最高速でミキシングする。(製粉する)
  5. ミキサーのペースト温度が40℃以下なのを確認し、砂糖②、塩②、油②、イースト②をミキサーにいれてミキシングする。
  6. パウンドケーキ型などに生地を流し込む
  7. オーブンに生地を入れて、発酵機能で40℃ 15分から20分、または室温で1.5倍になるまで発酵させる。
  8. オーブンから生地を取り出し、室温で引き続き2倍まで発酵させる。
  9. オーブンに入れ、予熱あり 180℃ 30分で焼成する。

以上です。

 作業時間としては焼成まで1時間半程度ですので簡単です。

生米パン

 断面はこんな感じです。

生米パン(カット)


 また、生地を半分にしたい場合は、すべての数字を一律半分でOKです。

 ただし、通常のミキサータイプの場合は、生地が少ないとミキシングする際に、飛び散りが多くなり手数が増えます。
 ミキサーによりますが、ある程度の量で製粉したほうがうまくいきますよ。

まとめ

 いかがでしょうか?

 ”ミキサーによる製粉”以外は、今回のポイントに沿っていただければ、問題は無いと思います。

 ”ミキサーにより製粉”も、お米と水だけのペーストですから、状態の変化がわかりやすく、再現性も高くなるのではないかと思います。

 過去に、挫折された方なども、今回のポイントを見ながら再挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

 初めての生米パンに挑戦でも、パンやお菓子作りをやる方なら、特に問題のない工程や食材ばかりです。
 生米パンの製パンは、うまくいかないことも多いので、むしろ”巣ごもり”の娯楽として楽しめますよ。

おまけ

 この方法でも膨らまない方は、やはりミキサー由来の製粉に問題があると思います。

 すこし、高いですが、おすすめのミキサーは、バイタミックスです。

 購入を検討するのもよいかもしれません。

正規品 Vitamix バイタミックス E310 [ブラック] 5年保証付 65736

 安いものではないので、生米パン以外の使用もご検討中だったり、ちょうどミキサーを買い替えようかと思っている方などはいかがでしょうか。

参考文献

QooQ